温故知新 什器

2025.05

国内外の個性的なファッションブランドの商品やインポートの古着を扱うセレクトショップ「温故知新」の什器を設計・制作した。

温故知新は、日本ではこの店でしか扱っていないような、海外のマニアックなブランドの商品を扱っている。オーナーはそういったブランドに直接会いに行き、ブランドのファウンダーやデザイナーと話し、コンセプトや作り手の想いを理解したうえで商品を販売している。取り扱っているブランドの中にはとても小さな企業や個人のものもある。そのためコロナや戦争などの社会状況によりブランド自体がなくなってしまい取り扱えなくなってしまったブランドがある。一方で発見や出会いから新たに取り扱いをはじめ、現在では店舗の目玉になっているブランドもある。長く続けていれば、様々な要因により店で取り扱う商品は少しづつ変わっていき、伴なって店の雰囲気も少しずつ変わっていく。それはどんな店でも起こりうることだろう。

そういった変化にあわせ、既存の店舗の雰囲気を引き継ぎながらも、必要に合わせて段階的に空間をアップデートしていくために、店内外の什器を時間をかけて少しずつ整えている。

今回ここに写真を載せたのは商品のための什器2点で、この二つの制作時期は1年以上離れている。

ひとつめは、壁面展示とセットになった展示机で、そこに展示するブランドがオーガニックでありながらアーバンな印象とのことだったため、まちなかでよくみられるVネットフェンスを用い、その緑色で多様な素材を統合させるデザインとした。

ふたつめは、もともと店舗で使っていたアンティークの学習机を解体し、他の家具の脚と再構築した什器であるが、こちらにもひとつめと同じ緑色を用いた。

店舗を彩る観葉植物(商品ではない)を飾る棚や、古くなった看板の作り替えなど、5年間で6~7か所に手をつけた。その中にはなにかを新しく作ったりデザインしたりするのではない「配置換え」のようなものも含まれる。困ったときに気楽に声をかけてもらい、一緒にどこを直すか、どう整えるのかから考えて、アップデートしていくという関係性はどこにでも作れるものではないかもしれないが、そういった町医者的なローカルアーキテクトの価値はあると思うし、こういった関係性の仕事がもっと増えてもよいのではないかと考えている。

用途:セレクトショップ
工事種別:商品展示什器
設計期間:2023~断続的
施工期間:同上
主体構造:
階数:
延床面積:
所在地:千葉県千葉市