2025.09
ちいさな漢方店の内装である。
クライアントは女性で、自身が産後に漢方によって助けられた経験から、「女性にも漢方に興味を持ってほしい」「女性が入りやすい店舗としたい」という意向があった。また漢方相談も実施するため、落ち着いた相談スペース(できれば小さい子連れで来ても迷惑にならないようなスペース)も欲しいという要望があった。
前面道路は街の裏路地で車通りが少なく閑静だが、その昔(数十年前)は賑わいのある商店街だったという。近年では昔ながらの商店がどんどんなくなっていく(工事期間中にも50年以上続いていた床屋と米屋が店を閉めた)一方、新しいお店もちらほらとできている。そして駅への歩行者動線となっている(近隣住民が大通りを避けて通る)ため人通りは少なくない。
こういった場所に建つ路面店で、かつ賃貸借契約としてファサードの変更が禁止されていた中で何ができるかを考えた。
店舗の入口は区画の中央にあるため、扉を開けた正面に前面道路から引き込むように道を作った。道は外部空間と同じタイルの床仕上げとした。
道の左側に相談スペース、右側にカウンターという構成とし、相談スペースは床をあげ、カーペットタイル敷き、壁面に沿ってベンチを設けた。天井も落とし、小さなスケールの親密な空間とした。一方、カウンター側の上部は梁をあらわしとした抜けのある開放的な空間としている。
クライアントと話す中で、様々な側面からこの店舗のイメージとして「緑」が強く浮かんだ。そこで、タイル・カーペット・布・塗装などさまざまな素材の「緑」を組み込んだ。
小さな空間に多くの要素を盛り込んだが、統一感のある居心地の良い空間になったと感じている。
用途:漢方薬店
工事種別:内装工事
設計期間:2025年4月~5月
施工期間:2022年6月~8月
主体構造:木造
階数:2階建て1階部分
延床面積:16.80㎡(当該範囲)
所在地:千葉県千葉市